自励発振機 (Self-oscillation unit)

左が1985年当時のBMF、右が最近のBMFを使用したものです。

BMFを使った電球負荷点滅用の自励発振器です。ダイオードの順方向電圧降下を利用してスイッチをON-OFFさせます。
順方向電圧降下は0.7V位と小さいため、主回路と直列に接続してもほとんど影響ありません。
しかし短いBMFを駆動するのに十分な大きさです。
マイクロスイッチのN.C.(常時接続接点)側に直流出力部を短絡させたブリッジダイオードをつなぎ、これと並列にBMFをつないであります。
ブリッジダイオードに電流が流れると電流の方向に関わらず両端にダイオード二つ分の電圧降下が生じます。
この電圧でVの字型に張られたBMFを収縮させ、マイクロスイッチのボタンを押し、通電を停止します。
マイクロスイッチは、開閉を確実にするため、ON-OFFとOFF-ONのそれぞれの位置が異なります。
この装置を主負荷と直列に入れると、装置内のBMFがマイクロスイッチのON-OFFとOFF-ONの位置間を往復する自励発振を行い、主回路の電流が周期的にON-OFFされます。
この発振器は、無調整のまま交流、直流を問わずダイオードの電圧降下以上の電圧で使用可能です。
1Aの主回路電流を使った実験では、2000万回以上の動作が可能です。
これは、簡易型の点滅器としては、十分な性能です。
大きさや構造の簡便さ、コストなどを考えるとBMF以外の方法では難しいと思われます。
同様な方式で低電圧駆動リレーなども作ることができます。

動画では、左側に古いBMFを使ったもの、右は最近のBMFを使ったものが映っています。
機構は、全く同じですから速度の違いから、最近のBMFの著しい性能の向上がうかがえます。